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2006.06.28 (Wed)

ヨコハマメリー

めざましテレビ、とくダネで紹介されているのを見て、おもしろそうだなーと思っていたこの映画がうちの近所の新開地アートビレッジセンターで上映されているのを知り、行って来ました。平日午後2時半からにもかかわらず、会場がほぼ満員でした。こんな都心から外れた会場なのにやはり注目度の高さを感じた。
戦後からヨコハマの町に住んでいた女性で、顔も手もおしろいで真っ白に塗っていて、真っ白のひらひらのお姫様のようなドレスを着ている。家を持たず夜は、ビルの片隅の椅子の上に体を折り曲げて眠っていた。
ヨコハマでは名物になっていたが、1995年に急に姿を消した。誰も素性は知らず、高貴な家の出らしいが、ずっと娼婦をしていたというが、本当の事は誰も知らない謎の人物だった。
この話を聞いてすごく興味を惹かれて、興味本位で見に行った映画ですが、彼女と何らかの関わりがあった人たちに彼女の思い出を語ってもらうという形で話が進んで行き、それがおのずと戦後のヨコハマの歴史を描くことにもなる。そして、彼女のことを金銭面でも援助し、友人としてドムドムで二人で会い、食事をしたりという関係であったというシャンソン歌手永登元次郎さんの語るメリーさんとの思い出から自分のこれまでの人生の話へとつながる。以下、ネタバレです。

【More・・・】

この元次郎さんは、この時癌に侵されていた。自分の病気のことも率直に淡々と受け入れていて自然に語る。その強さに清々しささえ感じた。彼は、母親との複雑な感情から言ってはいけない一言を母にぶつけてしまい、それがずっと心に引っかかって離れないでいて、メリーさんに母を重ね合わせてメリーさんを他人と思えなくて何か助けになりたかったという。彼自身、ゲイであり、田舎から一人で出てきて壮絶な人生をたどってきた。それもメリーさんを他人と思えない理由か。時代的にもそのような人種に対して今より数倍冷たい世の中であったろうに、そういう世間に怒ったり、卑屈な人間にはなっていなくて、とても温かい人柄がにじみ出ていた。メリーさんも何があってそのような生活をするようになったかはわからないが、そのような奇異な姿で街を歩き、人々に好奇の目で見られても凛としていたという。世間的には落ちぶれた生活でも自分の尊厳は自分で守っていた。だから周りには、着替え場所として自分の店を使ってくださいという、クリーニング店。店の前のベンチに座っていても追っ払うことをしなかったお店。いつも立ち寄って珈琲を飲んでいた喫茶店で、他のお客からあんな人と同じカップを使うのは嫌だから店に入れるなと言われて、メリーさん専用のカップを用意したのでいつでもどうぞと言った店員さん。など何人か彼女に優しく手をさしのべていた人たちがいた。人間にとって忘れてはいけないのは誇り高く生きること。それは自分の気持ち次第だと深く感銘を受けた。
そのように、彼女を周りから描いていくこの映画の作り手もみんなメリーさんを単に好奇心の対象としてでなく、一人の人間として描いているのが伝わってきて好感が持てた。
そして、最後に驚くべきサプライズが!元次郎さんがどこか田舎にある老人福祉施設へ歌の慰問に行く。そこで歌を聞き入っている方たちの後姿が映る。真っ白な髪のおかっぱ頭の老婦人がいる。まさか、これがメリーさんなんてことがあればうれしいけどまさかそんな…。ここに入っていたが亡くなった、ということかな?なんて考えていた。観客の姿が前から映される。そこにいたおだやかな表情で歌に聴き入りながらしみじみ歌詞にうなずいている上品な女性がなんと、メリーさんその人だった。それがわかった途端胸に熱いものがこみ上げてきた。そのなんともいえない穏やかな表情には、心が洗われるようだった。顔も白塗りでなく自然な上品な薄化粧。とても苦しい人生を歩んできた人の表情には見えなかった。自分の尊厳を守り続けてきたからこそ、こんな表情で普通の生活を送ることができたんだろう。信じられない思いでいっぱいであったと同時に、本当に良かったなーと心から思った。人間ってすごいなーと思った。どんな境遇になろうと自分の尊厳は自分で守るものだと身をもって語っていた。最後にショーを終えた元次郎さんと廊下で握手する、メリーさん。小さな声で「タンキュ(thank you)」と、独特の高い声。また、涙。
癌と闘っていた元次郎さんは2004年に、メリーさんは、2005年1月に亡くなったそう。この映画ができたのを見届けて亡くなったようで、この映画が完成したことに感謝したいです。
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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

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