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2009.03.05 (Thu)

ハンブルクバレエ「人魚姫」西宮公演

2009年3月1日(日)14:00兵庫県立芸術文化センター

詩人:イヴァン・ウルバン
人魚姫:シルヴィア・アッツォーニ
エドヴァート/王子:カーステン・ユング
ヘンリエッテ/王女:エレーヌ・ブシェ
海の魔法使い:オットー・ブベニチェク

日本ツアーでの人魚姫最終日です。
ノイマイヤー氏講演会でこの作品について聞いていたので
それを心に置いての鑑賞となりました。
限りない自己犠牲、それをショックをもって伝えることができないと
描きたいことが描けていない事になるとまでおっしゃっていたので
その心構えをしておきました。
会場に入ると、幕にブルーの波のラインと
右下に人魚姫と日本語での文字。
このブルーのラインがそれだけでものすごく美しくて
すでに人魚姫の世界に引き込まれて行きます。

開演、幕が上がると船のデッキにあるチェアーの上に
アンデルセンが片足を上げていたかな?後ろ向きに立っている。
手に持っている本から活字が飛び出て白い壁に踊っている。
しばらくするとアンデルセンが本を落す。
エドヴァートとヘンリエッテの結婚式の情景が始まる。
これはアンデルセンの回想だった。
賑やかでとても明るい式。
嬉しそうなエドヴァートはアンデルセンに近づいて
ありがとう、と握手をする。
すぐにヘンリエッテのほうに行こうとするが、
アンデルセンはその手を握って離さない。
アンデルセンの気持ちを全くわかっていないエドヴァートは
怪訝そうな顔をしてなんだよー、と言う感じ。
そしてヘンリエッテも変な人ね、という顔で見る。
思いが通じない哀しさが伝わってくる。

そして、アンデルセンの涙が海へ落ちて人魚姫が生まれる。
海へ潜るアンデルセン。
海の中を泳いでいるのが一目瞭然の手の動き。
あの水の中での抵抗のある感じの手の動きをしている。見事だなー。
そして人魚姫がいる。海の中を自由に泳ぎまわっている。
こちらも本当に泳いでいるとしか思えない動き。
3人の黒子さんとシルヴィアの動きが完璧に一体化している。
そして、人魚姫は動物の表情。人間の表情ではない。獣っぽい。
魚達や人魚の姉妹達が泳ぎ回る海の中の幻想的な風景に
飲み込まれていくよう。一緒に泳いでいるみたいな気がしてくる。

船の上では王子がとてもおばかっぽくゴルフをしている。
海に落ちたボールを探しに海に潜る王子。
海の魔法使いが現れて嵐を起こす。
このオットーの魔法使い、はまりすぎ!
すごい迫力で、恐い。
人魚姫が王子を助け砂浜に眠らせる。
そこへ修道院の女生徒たちが来る。
隠れる人魚姫。女生徒のうちの一人王女が横たわる王子を発見。
先生の言うことをあまり聞かない落ち着きのない子に見える。
そして王子を助けて、目を覚ました王子は自分を助けてくれたと思い
一目ぼれをした。
その様子を不安そうに見つめる人魚姫。
詩人が決定的な瞬間を人魚姫には見せまいと彼女の目を
両手で覆うが横から顔を出してしっかりと見てしまう。
ショックを受ける人魚姫。
しかし、人間になって王子に愛を伝えようと決心して魔法使いの所へ行く。
ここからがショッキングなシーン。
私の想像では足を作るのに尾びれを真ん中で切って二本の足にするのかと
思っていたのだけど、違って尾びれを引っぺがしていくのだった。
まさかそんな!と覚悟していたのにショック。それも一気に乱暴にはいでいった。
のた打ち回る人魚姫。そして、無理矢理抱き上げて上半身を抱えて
「この足で歩くたびにものすごい痛みがはしるんだぞ!それでもいいのか!」
と言うと人魚姫は「いいの!」すると、さらに残りの皮をべりべりーとはいだ。
まだやるのーとさらにショックを受けた。ノイマイヤーさん大成功です。ショックでした。
痛みのあまり気絶して浜辺で倒れている人魚姫。
歩こうとすると、感じたことのない痛み。
想像を絶する痛みだと見ていてわかる。
それを見つけた王子。いったいどうしたものか困っている。
最初は声をかけて、じゃあねと去っていこうとする。
詩人が、こんなかわいそうな子を置いていくのか?とばかりに
人魚姫を抱えて王子の目の前に突き出す。
おびえたような人魚姫、おまけに立つと足に激しい痛みがあるので
足もふらふらしていて、ものすごく悲壮感が漂う。
困った王子は、裸の彼女にバスローブをかけてやる。
それじゃあねとまた行こうとする、また詩人が王子の前に。
じゃあ、と今度は車椅子を。与えてまた…。ついに根負けした状態で王子は
やっと人魚姫を連れて帰る事にする。詩人の執念。
この時点で既に悲劇が目に見えている。それでも諦めない詩人。

王子に連れ帰られた人魚姫。最初は車椅子に乗せられているので
行きたくても王子のそばへ行けない。
船で王女と再会して嬉しそうに二人で散歩するところを
車椅子で通りかかり気になって見たいのだが車椅子は
勝手に進んで行ってしまい二人の姿を見られない。
痛みをこらえて必死で歩く練習をする人魚姫。
痛いはずなのに、痛そうな表情はない。それよりも嬉しそう!
自分の足で歩けるようになれば自由に王子の傍へ行ける!
その喜びの方が強くて、痛みも感じない。
どうにか歩けるようになり王子の傍へ行く。
王子はペットをかわいがるように人魚姫に接する。
すぐに王女の所へ行こうとすると甘えるように王子の傍にくっついていくと
王子はどうしたんだよーとあのアッパーカットのポーズをして笑う。
船員達に水兵服を着せられ、ダンスを教えられる人魚姫。
それでも、王子が喜んでくれるならと一生懸命踊ろうとする。
王子はチラッと見て、「すごいねー、はははっ」それだけで
王女と一緒に行ってしまう。人魚姫はまた王子の前まで行って
一生懸命踊って見せる。めんどくさそうに「わかったわかった」と
あしらって王女と行ってしまう王子。
自分がひどい扱いを受けていることが分からない人魚姫。
半分動物の表情が残っていて無表情に見えるが、
だんだんと人間的な哀しさが見えてくる。
どんなにみんなに笑われようが、王子に振り向いてもらうためなら
ちっとも気にならない。王子に冷たくされることだけがつらい。
見ていて、ほんとにつらくなってくる。痛々しい小さな人魚姫。

閉所恐怖症になってのた打ち回る人魚姫。
あの広い海に比べたら、どんなに大きい船の上でもこんな窮屈な空間でしかない。
ここの人魚姫の踊りもすごかった。よく覚えていないがとにかくつらそうだった。
ブライドメイドになり赤いドレスを着て、トゥーシューズを履く人魚姫。
他のみんなはとても美しくトゥーシューズで爪先立ちして歩く。
人魚姫はどたどたと歩くことしか出来ない。みんなの動きを真似しようとするが
なかなかうまくできない。そして、ついふらふらーと王子の目の前に出て行こうとして
他のブライドメイドに慌てて連れ戻される。何度も何度も。
王子も気付くと、あのアッパーカットで笑うだけ。
必死になってトゥーシューズでちゃんと踊れるよう頑張っている人魚姫。
やっと爪先で立てるようになる。そして少し踊れるようにもなる。
こんなに努力しているのに…。
海の魔法使いが結婚式の余興として踊る。
魔法使いを見て恐れおののく人魚姫。
そこで人魚姫にナイフを渡す。このナイフで王子の胸をついたら
元通りの体にして海に帰してやると言い、恐がる人魚姫にナイフを無理矢理渡す。
式の後、人魚姫は最後のチャンスと王子に必死で思いを伝えようとする。
海で助けたのは私よ、と思い出させるためにあの時海で王子に聞かせた
貝の音を聞かせる。貝を耳に当てると聞き入る王子。
何かを思い出しているような気配。思い出すんじゃないか、と期待が
強まった所へ王女が来て何してるのー?と言うと
王子はすぐに何事もなかったかのように「ごめんごめん」と行ってしまう。
思い出したんじゃないの~?と見ているほうが思ったのだが
深く物事を考えない王子。何か深い記憶が蘇ったのだろうが
それ以上考えることはしない。めんどくさいんだろう。
それよりも花嫁が待っているんだもーん。
何かを感じ取った王女はその最後の頼みの綱だった人魚姫の貝を
帰っていくお客に、「はい、これ持って帰って!」と無理矢理押し付けるようにして渡す。
何これ?と言う感じでそのお客はその貝を持って帰る。
「ああ、なんてこと」絶望感に襲われる。
またゴルフをする王子。そのボールを人魚姫の方に転がしたりする。
そして、初めて人魚姫が王子とトゥーシューズで踊る。
やった、王子に気持ちが通じたのか、と思ったらまたまた
あっさりとじゃあおやすみーと行こうとする。なんやねん、それ!と
突っ込みたくなる王子の態度。
追いかける人魚姫、隠し持っていたナイフが落ちて王子に見つかる。
一瞬はっとする。王子はこいつ僕を殺そうとしているのか、と
怒るかと思いきや、そのナイフを笑いながら手にとって
自分の胸に刺す振りをして、倒れる。
胸に(実はドンキの狂言自殺のように脇に挟んでいる)ナイフを刺したまま
しばらく横たわったままの王子を見て、本当に死んだのかと
怯えてどうしようどうしようと罪の意識を感じる人魚姫。
起き上がって、心配そうな表情の人魚姫を見て
思わずキスするのかと顔を近づけたあと、
「ははー冗談さ!」と笑いながら立ち上がる王子。
アッパーカットをしてじゃあね、おやすみーと脳天気に王女の元へ行く。
どこまで無神経なのー!と思ってしまう。
ついに最後まで思いを伝えることができなかった人魚姫。
限りない絶望。
突然、怒りの表情で狂ったようになりトゥシューズのリボンを解き
脱ぎ捨てて袖まで強く投げる。そして、赤いドレスを引きちぎるように
脱ぎ捨てる。そして、どうすることもできずばったり倒れる。
詩人が上半身裸になって助けに来る。
一緒に海へ飛び込もうとしているよう。
海へ飛び込んで二人で泳いでいるような、
空気中をふわふわと漂っているような不思議なダンス。
そして、満天の星が下りてくる=二人が星空まで到達した。
満天の星の中が詩人が用意した新しい世界。

限りない自己犠牲を払って、自分の思いをかなえようとした
人魚姫に対する救いの世界。人魚姫は救われて、同時に詩人も救われた。
詩人にとっては、どんな犠牲を払って、それがどんなに痛みを伴おうとも
自分の思いを伝えられないことの方が何倍もつらいことであった。
自分の思いを伝えるためなら、他人から見るとどんなにつらいことでも
つらいとは感じない。むしろ、喜びでさえある。
しかし、どれほど努力しても大きな犠牲を払おうともその思いが
必ずしも報われるものではない。結果的に不幸なけっかになったとしても
それは、相手が悪いのではない。誰も悪くはない。ただ、そうなっただけ。
しかし、そこには救いがある。最大限努力したという事実。
その救いは他人が与えてくれるものでもない。
自分で見つけるべきだし、きっと見つけられるはず。
というメッセージを私は受け取ったのですがどうなんでしょう。
最後は何とか救いを見つけたいという私自身の思いが強いのですが…。
「ニジンスキー」のようにずっしり重い救いのない後味を感じそうな作品だと思っていましたが
以外にも最後に救いが用意されていて、ほっとしました。
素晴らしい作品でした。大好きです。
ノイマイヤーさんの、みんなによりクリアーにメッセージを伝えたいという
気持ちが強かったせいか、単純化された中にメッセージが明確に
語られた作品だったのでは?と思います。
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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