スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2009.03.05 (Thu)

ノイマイヤー作品について

ハンブルクの作品はいつもあらすじが来場者全員に配られます。
キャスト表はロビーに張り出して机の上にご自由にどうぞと置いてあります。
これって非常に 親切だと思います。
プログラムを買わない人は結構多いし、キャストは一部のファン以外には
あまり興味がないことのようです。
他の公演では、キャスト表は全員にチラシと一緒に配られますが
あらすじはプログラムに書いてあるだけで
なんの知識もなく見に来たし、高いプログラムも買わないというような人
にとっては、このあらすじは理解するにあたって非常に大きな助けになる。
ノイマイヤーさんの作品は多くは非常に難解ですが、
分かる人にわかればいいのだ、という上から目線ではなく
全員にきちんと理解して欲しいという気持ちで作られている作品で
そのメッセージを伝えることが出来なければバレエを作る意味はないという
他のバレエ作品とは一線を画しているようなところがあります。
今回もいろんなことを考えさせてもらいました。

そして、今回も2作品を見てノイマイヤー作品の魅力を堪能しました。
ハンブルクバレエのバレエは見ていると
あたかもその場に自分がいて一緒に体験しているかのような感覚になる。
登場人物の気持ちが自分がその気持ちを味わっているかのような気がする。
アルマンのつらさが自分のつらさに感じられたし、
マルグリットの苦しみも自分の苦しみに感じられました。
人魚姫の足の痛み心の痛みも自分の痛みのように
体に、心に突き刺さってきました。
実際に、体験している気持ちになっているので
拍手をする気持ちになれないのです。
拍手をすることがなんか不自然で、場違いなように感じられます。

余談ですが、ハンブルクのジャパンツアーのブログに
月曜日に神戸から広島への移動の際、
朝ホテルの居心地のいいロビーに集合して
すぐ傍にある地震のメモリアルパークに立ち寄り
歩いてバス乗り場?まで行ったと書いてありました。
今回ご一行がお泊りになったメリケンパークにあるホテルの
すぐそばに震災で壊れた岸壁をそのまま保存して
ちょっとしたメモリアルの空間が作ってあります。
片隅にひっそりとある場所なのでなかなか気付かないのでは?
と思うのですが、ちゃんとみんなで立ち寄ってくれたのが
ちょっと嬉しいです。私の町のこと、私の体験したことを知ってくれたのが
一方通行に与えられるばっかりでなく何かをこちらからも
伝えることができたかなと言う気がします。
すごく独りよがりな自己満足な考えですが…。
広島でも全員で平和公園へ行って祈りを捧げたと
いうことでしたし、何かを感じ取ろうとしてくれているみたいです。
今回のツアーで新しいインスピレーションがあるといいですね。
新神戸から広島への新幹線で途中で機械の故障で
下ろされたようなことが書かれていましたが
大変だったようですね。こんなアクシデントも楽しんでくれているといいのですが…。
あと残す所、福岡での椿姫のみとなりました。
サーシャアルマンが福岡に…。ため息…。ふう。

ノイマイヤー氏は、私にとってはほとんど哲学者、思想家、宗教家
人生の師ともいうべき存在です。
ほんの少ししか見ていないのですが、もっと、いろんな舞台を見たい。
これからもお元気で益々情熱的に作品を作り出して欲しいものです。
あの熱意があればいつまでも若々しくいてくださるでしょう。
あれだけすごい作品をいくつも作っているのに
既に認められている作品からでも、もっともっと伝えたいという
限りない欲求が尽きないという熱いパッションを
講演会から感じました。本当にエネルギッシュです。
また、次の来日が待ちきれません。
それまでに私ももっともっと人間的に成長していなくては。

スポンサーサイト

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

22:24  |  バレエ鑑賞  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2009.03.05 (Thu)

ハンブルクバレエ「人魚姫」西宮公演

2009年3月1日(日)14:00兵庫県立芸術文化センター

詩人:イヴァン・ウルバン
人魚姫:シルヴィア・アッツォーニ
エドヴァート/王子:カーステン・ユング
ヘンリエッテ/王女:エレーヌ・ブシェ
海の魔法使い:オットー・ブベニチェク

日本ツアーでの人魚姫最終日です。
ノイマイヤー氏講演会でこの作品について聞いていたので
それを心に置いての鑑賞となりました。
限りない自己犠牲、それをショックをもって伝えることができないと
描きたいことが描けていない事になるとまでおっしゃっていたので
その心構えをしておきました。
会場に入ると、幕にブルーの波のラインと
右下に人魚姫と日本語での文字。
このブルーのラインがそれだけでものすごく美しくて
すでに人魚姫の世界に引き込まれて行きます。

開演、幕が上がると船のデッキにあるチェアーの上に
アンデルセンが片足を上げていたかな?後ろ向きに立っている。
手に持っている本から活字が飛び出て白い壁に踊っている。
しばらくするとアンデルセンが本を落す。
エドヴァートとヘンリエッテの結婚式の情景が始まる。
これはアンデルセンの回想だった。
賑やかでとても明るい式。
嬉しそうなエドヴァートはアンデルセンに近づいて
ありがとう、と握手をする。
すぐにヘンリエッテのほうに行こうとするが、
アンデルセンはその手を握って離さない。
アンデルセンの気持ちを全くわかっていないエドヴァートは
怪訝そうな顔をしてなんだよー、と言う感じ。
そしてヘンリエッテも変な人ね、という顔で見る。
思いが通じない哀しさが伝わってくる。

そして、アンデルセンの涙が海へ落ちて人魚姫が生まれる。
海へ潜るアンデルセン。
海の中を泳いでいるのが一目瞭然の手の動き。
あの水の中での抵抗のある感じの手の動きをしている。見事だなー。
そして人魚姫がいる。海の中を自由に泳ぎまわっている。
こちらも本当に泳いでいるとしか思えない動き。
3人の黒子さんとシルヴィアの動きが完璧に一体化している。
そして、人魚姫は動物の表情。人間の表情ではない。獣っぽい。
魚達や人魚の姉妹達が泳ぎ回る海の中の幻想的な風景に
飲み込まれていくよう。一緒に泳いでいるみたいな気がしてくる。

船の上では王子がとてもおばかっぽくゴルフをしている。
海に落ちたボールを探しに海に潜る王子。
海の魔法使いが現れて嵐を起こす。
このオットーの魔法使い、はまりすぎ!
すごい迫力で、恐い。
人魚姫が王子を助け砂浜に眠らせる。
そこへ修道院の女生徒たちが来る。
隠れる人魚姫。女生徒のうちの一人王女が横たわる王子を発見。
先生の言うことをあまり聞かない落ち着きのない子に見える。
そして王子を助けて、目を覚ました王子は自分を助けてくれたと思い
一目ぼれをした。
その様子を不安そうに見つめる人魚姫。
詩人が決定的な瞬間を人魚姫には見せまいと彼女の目を
両手で覆うが横から顔を出してしっかりと見てしまう。
ショックを受ける人魚姫。
しかし、人間になって王子に愛を伝えようと決心して魔法使いの所へ行く。
ここからがショッキングなシーン。
私の想像では足を作るのに尾びれを真ん中で切って二本の足にするのかと
思っていたのだけど、違って尾びれを引っぺがしていくのだった。
まさかそんな!と覚悟していたのにショック。それも一気に乱暴にはいでいった。
のた打ち回る人魚姫。そして、無理矢理抱き上げて上半身を抱えて
「この足で歩くたびにものすごい痛みがはしるんだぞ!それでもいいのか!」
と言うと人魚姫は「いいの!」すると、さらに残りの皮をべりべりーとはいだ。
まだやるのーとさらにショックを受けた。ノイマイヤーさん大成功です。ショックでした。
痛みのあまり気絶して浜辺で倒れている人魚姫。
歩こうとすると、感じたことのない痛み。
想像を絶する痛みだと見ていてわかる。
それを見つけた王子。いったいどうしたものか困っている。
最初は声をかけて、じゃあねと去っていこうとする。
詩人が、こんなかわいそうな子を置いていくのか?とばかりに
人魚姫を抱えて王子の目の前に突き出す。
おびえたような人魚姫、おまけに立つと足に激しい痛みがあるので
足もふらふらしていて、ものすごく悲壮感が漂う。
困った王子は、裸の彼女にバスローブをかけてやる。
それじゃあねとまた行こうとする、また詩人が王子の前に。
じゃあ、と今度は車椅子を。与えてまた…。ついに根負けした状態で王子は
やっと人魚姫を連れて帰る事にする。詩人の執念。
この時点で既に悲劇が目に見えている。それでも諦めない詩人。

王子に連れ帰られた人魚姫。最初は車椅子に乗せられているので
行きたくても王子のそばへ行けない。
船で王女と再会して嬉しそうに二人で散歩するところを
車椅子で通りかかり気になって見たいのだが車椅子は
勝手に進んで行ってしまい二人の姿を見られない。
痛みをこらえて必死で歩く練習をする人魚姫。
痛いはずなのに、痛そうな表情はない。それよりも嬉しそう!
自分の足で歩けるようになれば自由に王子の傍へ行ける!
その喜びの方が強くて、痛みも感じない。
どうにか歩けるようになり王子の傍へ行く。
王子はペットをかわいがるように人魚姫に接する。
すぐに王女の所へ行こうとすると甘えるように王子の傍にくっついていくと
王子はどうしたんだよーとあのアッパーカットのポーズをして笑う。
船員達に水兵服を着せられ、ダンスを教えられる人魚姫。
それでも、王子が喜んでくれるならと一生懸命踊ろうとする。
王子はチラッと見て、「すごいねー、はははっ」それだけで
王女と一緒に行ってしまう。人魚姫はまた王子の前まで行って
一生懸命踊って見せる。めんどくさそうに「わかったわかった」と
あしらって王女と行ってしまう王子。
自分がひどい扱いを受けていることが分からない人魚姫。
半分動物の表情が残っていて無表情に見えるが、
だんだんと人間的な哀しさが見えてくる。
どんなにみんなに笑われようが、王子に振り向いてもらうためなら
ちっとも気にならない。王子に冷たくされることだけがつらい。
見ていて、ほんとにつらくなってくる。痛々しい小さな人魚姫。

閉所恐怖症になってのた打ち回る人魚姫。
あの広い海に比べたら、どんなに大きい船の上でもこんな窮屈な空間でしかない。
ここの人魚姫の踊りもすごかった。よく覚えていないがとにかくつらそうだった。
ブライドメイドになり赤いドレスを着て、トゥーシューズを履く人魚姫。
他のみんなはとても美しくトゥーシューズで爪先立ちして歩く。
人魚姫はどたどたと歩くことしか出来ない。みんなの動きを真似しようとするが
なかなかうまくできない。そして、ついふらふらーと王子の目の前に出て行こうとして
他のブライドメイドに慌てて連れ戻される。何度も何度も。
王子も気付くと、あのアッパーカットで笑うだけ。
必死になってトゥーシューズでちゃんと踊れるよう頑張っている人魚姫。
やっと爪先で立てるようになる。そして少し踊れるようにもなる。
こんなに努力しているのに…。
海の魔法使いが結婚式の余興として踊る。
魔法使いを見て恐れおののく人魚姫。
そこで人魚姫にナイフを渡す。このナイフで王子の胸をついたら
元通りの体にして海に帰してやると言い、恐がる人魚姫にナイフを無理矢理渡す。
式の後、人魚姫は最後のチャンスと王子に必死で思いを伝えようとする。
海で助けたのは私よ、と思い出させるためにあの時海で王子に聞かせた
貝の音を聞かせる。貝を耳に当てると聞き入る王子。
何かを思い出しているような気配。思い出すんじゃないか、と期待が
強まった所へ王女が来て何してるのー?と言うと
王子はすぐに何事もなかったかのように「ごめんごめん」と行ってしまう。
思い出したんじゃないの~?と見ているほうが思ったのだが
深く物事を考えない王子。何か深い記憶が蘇ったのだろうが
それ以上考えることはしない。めんどくさいんだろう。
それよりも花嫁が待っているんだもーん。
何かを感じ取った王女はその最後の頼みの綱だった人魚姫の貝を
帰っていくお客に、「はい、これ持って帰って!」と無理矢理押し付けるようにして渡す。
何これ?と言う感じでそのお客はその貝を持って帰る。
「ああ、なんてこと」絶望感に襲われる。
またゴルフをする王子。そのボールを人魚姫の方に転がしたりする。
そして、初めて人魚姫が王子とトゥーシューズで踊る。
やった、王子に気持ちが通じたのか、と思ったらまたまた
あっさりとじゃあおやすみーと行こうとする。なんやねん、それ!と
突っ込みたくなる王子の態度。
追いかける人魚姫、隠し持っていたナイフが落ちて王子に見つかる。
一瞬はっとする。王子はこいつ僕を殺そうとしているのか、と
怒るかと思いきや、そのナイフを笑いながら手にとって
自分の胸に刺す振りをして、倒れる。
胸に(実はドンキの狂言自殺のように脇に挟んでいる)ナイフを刺したまま
しばらく横たわったままの王子を見て、本当に死んだのかと
怯えてどうしようどうしようと罪の意識を感じる人魚姫。
起き上がって、心配そうな表情の人魚姫を見て
思わずキスするのかと顔を近づけたあと、
「ははー冗談さ!」と笑いながら立ち上がる王子。
アッパーカットをしてじゃあね、おやすみーと脳天気に王女の元へ行く。
どこまで無神経なのー!と思ってしまう。
ついに最後まで思いを伝えることができなかった人魚姫。
限りない絶望。
突然、怒りの表情で狂ったようになりトゥシューズのリボンを解き
脱ぎ捨てて袖まで強く投げる。そして、赤いドレスを引きちぎるように
脱ぎ捨てる。そして、どうすることもできずばったり倒れる。
詩人が上半身裸になって助けに来る。
一緒に海へ飛び込もうとしているよう。
海へ飛び込んで二人で泳いでいるような、
空気中をふわふわと漂っているような不思議なダンス。
そして、満天の星が下りてくる=二人が星空まで到達した。
満天の星の中が詩人が用意した新しい世界。

限りない自己犠牲を払って、自分の思いをかなえようとした
人魚姫に対する救いの世界。人魚姫は救われて、同時に詩人も救われた。
詩人にとっては、どんな犠牲を払って、それがどんなに痛みを伴おうとも
自分の思いを伝えられないことの方が何倍もつらいことであった。
自分の思いを伝えるためなら、他人から見るとどんなにつらいことでも
つらいとは感じない。むしろ、喜びでさえある。
しかし、どれほど努力しても大きな犠牲を払おうともその思いが
必ずしも報われるものではない。結果的に不幸なけっかになったとしても
それは、相手が悪いのではない。誰も悪くはない。ただ、そうなっただけ。
しかし、そこには救いがある。最大限努力したという事実。
その救いは他人が与えてくれるものでもない。
自分で見つけるべきだし、きっと見つけられるはず。
というメッセージを私は受け取ったのですがどうなんでしょう。
最後は何とか救いを見つけたいという私自身の思いが強いのですが…。
「ニジンスキー」のようにずっしり重い救いのない後味を感じそうな作品だと思っていましたが
以外にも最後に救いが用意されていて、ほっとしました。
素晴らしい作品でした。大好きです。
ノイマイヤーさんの、みんなによりクリアーにメッセージを伝えたいという
気持ちが強かったせいか、単純化された中にメッセージが明確に
語られた作品だったのでは?と思います。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

19:19  |  バレエ鑑賞  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2009.03.02 (Mon)

椿姫 その4 完結

やっとのことで終わりが近くなりました。
よければもう少しお付き合い下さい。

映像版と違っていたところがありました。
アルマン父からの手紙を受け取ったマルグリットに
映像版では、何々?見せて、とふざけるアルマンというのは
サーシャはしていなかった。
黙って座っていた。

アルマン父との戦いが終わり別れを決意したマルグリットの
所へただいまーと帰ってくるアルマン。
その時だったか次だったか、アルマンはじゃあまたねーと友達に
手を振っていた。田舎でお友達ができたのでしょうか。
まさに絶好調のアルマン。このあと起きることも知らずに…。
一回帰って来てまた、マルグリットに出かけるよう言われて
また出かけるアルマン。
帰ってくると、マルグリットはいない。
アルマンはまだ「どこ行ったのかなー?」程度にしか思っていない。
マルグリットの帽子を抱きしめ椅子の上に投げて
白のショールが落ちているのを拾って椅子にかける。
そして座ってぼーっとしていたがそのうちに何かおかしいと気付く。
ナニーナのトランクが置いてあるがアルマンはそれには気付かない。
映像版ではアルマンはそのトランクを見てはっとするのだが、
今日の舞台では、ふっと不安にかられて立ち上がり
きょろきょろとマルグリットの影を探そうとし始めた時に
ナニーナがやってきてアルマンに手紙を渡す。
アルマンは震える手で(本当に手が震えてた)
手紙を開けてさかさまになっていたらしいのを向きをちゃんと変えて
ぶるぶる震えながら手紙を読む。ガーン。
ここのソロダンスがまたすごかった。
本当に痛々しい踊りで、アルマンは気が違ってしまうんじゃないかいうくらい。
両手を前からばっと後ろに出すところはものすごく激しく後ろに出すので
腕が抜けるんじゃないかと思ってしまいました。
サーシャの激しい息遣いが聞こえてきた。
切なくて息ができなくなった。苦しかった。
そして走る走る走る。やっとのことでパリまでついてマルグリットの部屋へ行くと
裸の男が背中を向けて立っているのが薄い幕越しに見えた。
アルマンはばたんと大の字になって倒れる。

第3幕
シャンゼリゼでの再会
ここも切なかった。
ベンチに座っているとマルグリットの姿を見つけたアルマン。
気付いたマルグリットは凍りつき、手に持っていた椿の花束を落す。
時間が止まったような瞬間。
ゆっくりゆっくりゆっくりとマルグリットに近寄り
花束を拾うため地面にひざまずくアルマン。
マルグリットは思わずというか抑えきれない気持ちで
葛藤しながらもアルマンの髪に触れようとおずおず指先を伸ばす。
しかし、立とうとしたアルマンの髪に手が触れた瞬間
電気に打たれたかのようにびくっと手を引っ込める。
そして、平静を装って手を差し出すマルグリット。
その手を取り唇をぎゅっと強く押し付けるキスをするアルマン。
ガストンとオリンピアが来て、オリンピアはアルマンに色目を使う。
そして、さあ行きましょうと言われ、マルグリットとアルマンは
ゆっくりゆっくりどうしようどうしよう、と思いながらも二人で
今にも腕を組みそうなところへオリンピアがさっと割って入り
アルマンの腕を持ってさあ行きましょう。と連れて行く。
ここで思わず、マルグリット早くアルマンの腕をとって!
と思ってしまったができず、二人とも切ない表情に。

これ見よがしにオリンピアといちゃつくアルマン。
アルマンは、オリンピアに対しては敬意のかけらも払っていない。
マルグリットに見せつけることしか頭にないから。
ぱっと見は普通にリードして踊っているが
くるくる回して抱き寄せるのがちょっと乱暴なあつかい。
添える手にも優しさがない。微妙な違い。

でもオリンピアはそんなことちっとも気にする女ではない。
あのマルグリットの元いい人を奪ったことで得意満面。
マルグリットにもうあんたの時代は終わったのよ!という態度みえみえ。
アルマンもオリンピアもお互いに利用し合っているだけの関係。

そして、いよいよ黒衣のパドドゥ
黒いマント姿のマルグリットはかなり長い間
舞台奥で立ち尽くしていた。
いったい自分で自分が何をしているか分からない状態の
アルマンはぼんやりとしていて、中々気付かない。
気付いてからも傍に行くまでかなり長い間を感じました。
どうなるのかと凄い緊張感が漂います。
最初は冷たい態度をとろうとするが、それもすぐできなくなる。
彼女の体を抱くと、これまでのこと全て消え去って
激しい愛が蘇ってくる。
マルグリットも自分を抑えようとするが抑えきれずに
徐々に二人の気持ちが高まっていく様子が圧巻。
もうどうなってもいい!このまま二人とも死んでしまうのではないか
というくらいの激しさで愛し合う。
二人ともこのまま死んでしまえたら、と思っていたのだろう。
ここの愛し合うシーン、マルグリットが仰向けでその上にアルマンが乗って
二人が腕をくるくる絡ませあう所、くるくるしたマルグリットの腕がそのまま
クロスしてアルマンの首をつかむようにしていた。
それもごくスムーズにしていた。すごく美しかった。切なかった。
ガラなどで、何度も見ているこのパドドゥ。サーシャのも前回バレエガラで見たけれど
やはり、全幕で見るとものすごい迫力だった。ふう~。
二人で眠ってしまう。アルマンはきっと、マルグリットと別れてから
熟睡することができていなかったのだろう。ほっとしたような顔で爆睡。
マルグリットはやはりすぐ目覚める、というかマノンの悪夢にうなされて
ちゃんと眠ってはいなかった。
目覚めて、マルグリットが居ないのに気づいてやっぱりか、と落胆、怒り。
舞台のはしっこで、一生懸命首のリボンを蝶々結びに結ぶ。
結構時間がかかっている。そして、最後にかなりきつくぎゅーっと締めていた。
激しく踊ってもほどけないように。
そして、マルグリットの忘れていった黒いベールを拾い、
丸めて胸の内ポケットに入れた。でも、長ーく垂れ下がっている。
オリンピアに会って、そのベールをオリンピアの頭からそれをかぶせて笑う。
オリンピアもなーによこれ、と大笑いしぽいっと捨てる。
それを小間使いが拾っていく。
こっからもすごかった。かなり、酒をあおるように飲んで大げさにはしゃぐアルマン。
マルグリットを強引にひっぱって踊る。
抵抗する力もなく振り回されるマルグリット。
はんぱじゃなく乱暴に振り回していたぶる。
そして、逃げるように走っていったマルグリットの所へ歩いていくアルマン。
ここすごかった。一瞬、マルグリットの目を見てとまどったような微妙な表情。
映像のように半笑いでほらよっというような乱暴な渡し方ではなく
きちんとはい、これ、という感じだったので、
もしかしたら、謝罪の手紙か、事情が分かったのでもう一度やり直そう
とかいう、嬉しい手紙なのでは?と期待をしてしまうような渡し方だった。
一瞬マルグリットの表情に、もしかしたらというほんの少しの希望が表れた。
たった今、あんなひどい仕打ちを受けたのに、それでもまだ期待する哀しさがあった。
それだけに、手紙を読んで札束を見た時の受けた衝撃ははかりしれない。
しかし、アルマンの表情も壮絶なものがあった。
その手紙を冷静に渡したあと、そのままマルグリットの顔を
一度も見ることはなかった。
顔をそむけて離れて行き、離れたところでわなわなと震えながら立ち尽くす。
マルグリットを見なくても、自分のしたことがどれほど彼女を深く強く傷つけるか
はっきりわかっていた。取り返しのつかないことをしてしまったことをわかっていた。
その時点で既に自分は何と言うことをしてしまったのかと恐れに震えていた。
これがマルグリットとアルマンの最後のシーン。
なんということ!

そして、ナニーナがやってきてアルマンに日記を渡す。
日記を読み始めるアルマン。
最後までアルマンに一目会いたいと辛い体をおして劇場に通うマルグリット。
痛々しい。ここでも映像版と違ったのは、席を立って走り去るマルグリットを
プリュダンス、N伯爵、ガストンもだったか心配して追っかけていった。
マルグリットのことを少しでも心配してくれている。

そしてマルグリットが部屋へ戻り化粧を落す。
眠っていたらまたマノンが夢に現れる。
マノンはもう死を迎えようとしている。
今までマノンとは違うと逃げようとしてきたマルグリットだが
今はマノンに寄り添うようになっている。
愛する人の腕に抱かれて最期を迎えるマノンのことをうらやましく思っている。
必死に自分をマノンに重ね合わせようとしている。
そして、デグリュが死を迎えたマノンのなきがらを抱いて去っていこうとすると
私を置いていかないで、お願いだから一緒に連れて行ってと
言うようにマノンの腕を必死に握る。しかし力なくするりと抜けて
デグリュとマノンは去っていき、一人残されるマルグリット。
そして、長いすに横たわっていたマルグリットが突然立ち上がる。
間違いなくはっきりとアルマンの姿が見えているのだ。
一瞬ほっとしたような表情を浮かべ倒れる。
アルマンが日記を閉じ遠くを見つめる。
アルマンが日記を閉じた瞬間私の頬に涙がつーっと一筋流れました。
このラストシーンは静かだった。安らかな感じ。
今までが、あまりにも激しく命をすり減らすような愛だったので
ある意味ほっとした。
最期の瞬間ハッキリとアルマンが見えていたマルグリット。
サーシャが日記を読み終わった瞬間の表情を
はっきり思い出せないけれど、なんかほっとしたような
重い荷物をおろしたような何かから開放されたような表情だったような
私の中の印象。そうあってほしいと思っていたから
そう記憶しているのかもしれない。
でも、日記を読んでマルグリットが強く心から自分を最期まで
愛していてくれたことがはっきりわかり
マルグリットは自分が思っていたとおりの誰よりも清らかな心を持った女性だった
ということがはっきりしてもやもやが晴れたと思う。
そんな女性を一人寂しく死なせてしまったことは
悔しいけれど、二人の愛は本物だったという確信を得た
アルマンはきっと、前向きに生きていけるような気がする。
(完)
こんなに長い長い感想を書いたのは初めて位かも。
1シーン1シーン心にしみる舞台でした。
いつまでも忘れられないバレエになりました。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

22:04  |  バレエ鑑賞  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2009.03.01 (Sun)

椿姫 その3

別荘地で白い衣装のマルグリット、アルマン
プリュダンス、ガストン、N伯爵や他お客達が
楽しそうに踊りまくる。
何も心配事がないようにただただ楽しむ。
アルマンに心から愛され幸せいっぱいのマルグリットは
N伯爵にも優しくなっている。
N伯爵と踊り、他の男達と踊るマルグリットを
そばで満足そうに見守るアルマン。
マルグリットが体をそらせたら
いちいち頭をぶつけないようにと
手を添えるアルマン。そんなに好きなのね、じゃあ私は
諦めるわと思ってしまうほどとっても健気にマルグリット命のアルマン。
N伯爵と腕を組んで歩くマルグリットの横を歩いて
N伯爵の肩を向こう側からとんとんとして何?と振り向いた瞬間
マルグリットの腕をとって奪い去るというベタな技を見せるアルマン。
ほんとに無邪気にラブラブな二人です。
若い男女によるダイナミックな踊り、プリュダンスのダンス。
ガストンのムチダンスなど楽しい踊りが次々と見られます。
目の保養。ガストンのムチダンスはムチをふる時ものすごい
ビュンビュンという音がした。かっこいいです。
ものすごくきれいな踊りでよかったです。
ナニーナとガストン、プリュダンスの3人のダンスは
笑いをとっていました。
そして、アルマンがガストンの後頭部めがけて巨大なクッションを投げる。
見事的中。ナイスコントロール、サーシャ。
でもあんなに大きいと当たったら痛いんでは?と心配。
そして、大騒ぎで全員で踊りまくってたら「ジャン」と不協和音。
映像版とおんなじだー。
その場が凍り付いている中ゆっくりゆっくりとマルグリットに近づく公爵。
すごくゆっくりでどきどきして恐くなる。
マルグリットの腰に置いているアルマンの手をぱっと払いのける公爵。
今は余裕があるアルマンは抵抗せず、マルグリットからそーっと離れていこうとする。
このときの進む方向が映像版と違っていました。
アルマンは公爵のいる方向の斜め前へ行こうとした。
その手を力強く握って引き寄せるマルグリット。
マルグリットの覚悟を感じ取ったアルマンは
マルグリットの腰に手を廻し思い切りぎゅっと握る。
一瞬にらみ合うマルグリットと公爵。
この間合いがすごく緊張感があり見ているとどきどきしてくる。
ゆっくりと首のネックレスを外し、何気ない感じでそれを下に捨てる。
こんなものいらないわっ!!と公爵の足元に投げつけるという
イメージを持っていましたが、ここではどうでもいいものかのように
ぽいっと捨てました。公爵にとっては投げつけるよりもさらにきつい仕打ちです。
完全な決別宣言というマルグリットの強い覚悟がよくわかります。
怒りながら去っていく公爵。
みんなさーっと消えていく中。
すばやく当たり前のようにそのネックレスを自分の胸元に
しまいこむプリュダンス。大きな笑いが起きました。
その緊張感ある芝居の後だったのですごくがくっと力が抜けて笑ってしまいました。

その後はみんないなくなりマルグリットとアルマンの二人っきりの
本当の蜜月。
髪をほどいたマルグリットは本当に少女のようでした。
背を向けて舞台の端と端に立ちそこから二人とも後ろ向きに進み
舞台中央音楽にもぴったり合った所で背中がぶつかる。
ここすごく離れていて音楽に間に合うのかちゃんと同じ位置に行けるのか
ちょっと心配しましたがそんな心配はこの二人には無用。
すごいスピードで後ろ向きに走る。
もうこのパドドゥは言葉が見つからないほど美しかった。
うっとりしました。
すっかりアルマンに身を預けるマルグリット。
アルマンも最初のパドドゥの時の様に独りよがりな踊りではありません。
二人の気持ちがぴったり合った透き通るような踊りでした。
そうは言ってもサーシャのアルマンはやっぱり情熱的。
静かな中にもものすごく熱い踊りでした。そして美しい。
サーシャのルルベってものすごく高くて足の甲から足のラインがまっすぐで
ポワントを履いているかのような足になります。
サーシャならポワントいつでも普通に履いて自分の踊りを踊れそうです。
そして、転がり方がはんぱではなく思いっきりごろごろ~~っていう感じですごい。
普通ああいう時って膝は伸ばして転がると思うのだけど
サーシャは膝を曲げて転がるからすっごく痛そう。
きっと膝とか足っていうか体中「青タン」だらけかも?
でも、膝を曲げて転がることで、どうしていいかわからないくらいの
幸せなんだーというのが伝わってくる。
危なそうなリフトも何の躊躇もなく投げて回してそれがすごく自然に決まる。
難しいことしてるなーと感じさせずに二人の愛の言葉として聞こえてくる。
マルグリットをリフトして走り回る時、すぐにドレスがサーシャの顔にかかってしまうので
それをジョエルが優しく手で持って上げてるのがすごく素敵だった。
マルグリットの母性的な感じが見えて
また、サーシャの顔に掛ったドレスの裾を手で持つ
その手の動きがこの上なく美しくて、
サーシャの顔を覗き込むようにしている表情が本当に幸せいっぱいで素敵でした。
そして、ごろごろ激しく転がるアルマンのところへ
マルグリットが横から滑り込んできて膝の上にアルマンの頭を乗っけて
上からキスをするところも
すっごい勢いで転がるサーシャのところへ
ほんとにまた凄い勢いで滑り込みをするジョエル。
サーシャ危ない、踏まれるーとどきどきしましたが
これもどんぴしゃのタイミングと位置でした。
恐れ入りました。
でもこのパドドゥはただ甘いだけでなく、あまりにも幸せー!!が
強すぎて強すぎて、特にアルマンの幸せそうなことったらもう…。
見ている方が心配になるほどでした。
マルグリットが不安になる気持ちがよくわかりました。
こんな幸せはいつまでも続かないとどこかで思ってしまう。
その不安が現実になる…。
これから先は最初に書いたアルマン父とマルグリットの戦いの場の
感想になります。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

00:02  |  バレエ鑑賞  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
 | HOME | 

検索

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

おすすめサイト

おすすめバレエDVD

東京お勧め宿

最近のトラックバック

天気予報

FC2カウンター

カレンダー

おすすめバレエ本

おすすめバレエショップ

アフィリエイト

リンク

おすすめCD

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。